ドクダミ茶の作り方|祖母が庭の薬草で教えてくれた昭和の知恵

ドクダミのイメージ 昭和の暮らし

独特の苦みと香ばしさを持つ「ドクダミ茶」や、整腸作用で知られる「ゲンノショウコ」。

かつての日本家屋では、これらは買うものではなく、庭から摘んで作る「知恵の結晶」だった。本記事では、昭和の暮らしの中で愛飲されていた自家製薬草茶の作り方と効能、そして採取から乾燥までのポイントを詳しく解説。

筆者の実体験を通した「昭和の健康の知恵」を、ぜひ現代の暮らしのヒントにしてみてほしい。

子ども時代の「ドクダミ茶」と祖母の暮らし

 小学校から川沿いの道を下って10分。走れば5分ほどの場所に、私の生まれ育った家がある。
 夏は今ほどの猛暑ではなかったけれど、それでも鼻の頭に汗をかきながら家に飛び込んだ記憶は鮮明だ。

 帰るなり昭和ガラスの引き戸をガタガタと開け、土間に転がり込んで冷蔵庫へまっしぐら。
そこで待っていたのが、祖母が作ってくれていた冷たいドクダミ茶だった。

 この記事では、
 子ども時代の思い出と、ドクダミ茶・ゲンノショウコ茶の手作り方法、そして薬草が身近にあった暮らしについて書いていく。

 ちなみに、冷蔵庫でいつも冷えているドクダミ茶は、庭で採れたものだ。庭にはたくさんドクダミがあったから、それを使って作ったのだろう。

 「だろう」という想定形である理由は、肝心なドクダミ茶を作っているシーンを覚えていないからだ。よく縁側の軒下で農作物が乾燥させてあったが、なにせ子供のころのことである。
 その中にドクダミ茶があったという断定ができない。

 だからといって「市販のお茶だったかもしれない」となるともうこの話はこれでお終いになってしまうので、今回はとりあえず「庭のドクダミを使って祖母が茶を作ってくれていた」という話でこのまま突き進ませていただきたい。……とりあえず当時はお茶パックなんてなかったし、ガラスジャーの中に沈んでいたのは間違いなく植物でしたし……。

祖母
祖母

初回からいきなりグダグダじゃねぇ

私<br>

申し訳ござらぬ。でも多分庭のドクダミの可能性が高いんよ。

 というわけで、実際祖母の薬草茶を作る過程は見ていないので、現在一般的に紹介されているドクダミ茶の作り方は次の通り。

ドクダミ茶の作り方|レシピと現代流

 自宅でドクダミ茶を作るには、まずドクダミの茎葉を乾燥させ、それから煮出して淹れます。
 乾燥させることで、生のドクダミ特有の臭いが消え、香ばしいお茶になります。

 ドクダミ茶の作り方(自家製・乾燥)

1. 材料の採取と準備

  • 採取: 花が咲く時期(梅雨頃)が最も良いとされています。排気ガスや農薬の影響がない場所で
    ドクダミを根っこから採取します。
  • 洗浄: 採取したドクダミをきれいに水洗いし、土や汚れを落とします。
  • 乾燥: 水気をよく切ったドクダミを、新聞紙やザルの上に広げるか、束ねて風通しの良い日陰で陰干しします。完全に乾燥するまで数日~1週間程度かかります。乾燥を早めたい場合は、天日干しを併用しても良いです。
  • 刻む: 完全に乾燥したら、キッチンバサミなどで1〜4cm程度の適当な大きさに刻みます。
  • 焙煎(任意): 軽くフライパンなどで焙煎すると、より香ばしいお茶に仕上がります。焦がさないように注意しながら、軽く色づくまで混ぜます。 

2. ドクダミ茶の淹れ方

乾燥させたドクダミを使って、以下の方法で淹れます。

  • 鍋・やかんの場合
    1. 乾燥ドクダミ葉 5~10gと水約1リットルを鍋またはやかんに一緒に入れます。
    2. 火にかけて沸騰させます。
    3. 沸騰したら弱火にして、さらに1~2分ほど煮出します。
    4. 火を止めて、茶こし(またはお茶パック)で葉をこしたら出来上がりです。
  • 急須の場合
    1. 乾燥ドクダミ葉5g程度を急須に入れます。
    2. 熱湯(約170ml)を注ぎます。
    3. 3~4分程度置いて、お好みの濃さになったらお召し上がりください。 

注 意 点
・ドクダミ茶はノンカフェインですが、利尿作用があるため、飲みすぎると体内の水分バランスが崩れる可能性があります。1日1〜2杯程度を目安に、適量を守って飲むことが大切です。
妊娠初期の方にはおすすめできません。 

 そもそも、ドクダミってどういう植物?というところから。

 飲んだ経験のある方ならわかってもらえるだろうが、ドクダミ茶には独特の味がある。
 子供なのにドクダミ茶が平気だったのか?と現代では疑問に思われるかもしれないが、我が家は与えられたものに不満があるなら水道水でも飲んどけという方針であった。当時は他の家庭も割とそんなもんだったと記憶している)

 それならやっぱり、水道水より味のある冷えたお茶の方が美味しいのである。
 牛乳も常備してあったが、喉の乾いた状態で一気飲みしたいのは牛乳よりも、良く冷えたお茶なのだ。(ちなみに我が家にはジュースなどなかったので、牛乳もよく飲んだ)

 そもそも私はドクダミ茶の苦みが大好きだった。時々他所で麦茶をいただくことがあったがそのクセのなさを物足りぬと思ったくらいだ。

ゲンノショウコ茶の効能と作り方|暮らしに取り入れる薬草

 というわけで、夏も冬も我が家のお茶はドクダミ茶だった。(夕食の時は日本茶を淹れていました)

 いつのころからか、そこにゲンノショウコが仲間入りした。(ゲンノショウコに関しては日本薬学会にて詳細)
 ある日お茶の味がサラッとしたものに変わっていたので祖母に尋ねたら「ゲンノショウコウなんよ」という答えが返ってきたのだ。
 子供のころは呪文のように音だけで覚えていたゲンノショウコ、この記事を書くにあたって初めて調べてみた。

 以下、現在一般的に紹介されているゲンノショウコの作り方は次の通り。

ゲンノショウコは、下痢止めや便秘の改善、整腸作用を期待して作られます。作り方は、市販のゲンノショウコ(粉末や乾燥させた葉)を水で煮出して煎じることが基本です。下痢止めには熱くして、便秘には冷やして飲むのが一般的です。 

下痢止め・整腸目的の作り方

  • 材料: ゲンノショウコ(乾燥葉、全草など)大さじ4杯程度、水 0.4リットル
  • 作り方:
    1. 鍋にゲンノショウコと水を入れ、火にかける。
    2. 沸騰したら弱火にし、約半量になるまで煮詰める。
    3. 火からおろし、かすを取り除いて、煎じ汁を飲む。
  • 飲み方: 1日1~3包程度を、食前または食間に温かいまま服用する。 

便秘目的の作り方

  • 材料: ゲンノショウコ(乾燥葉、全草など)10g程度、水 0.4リットル
  • 作り方:
    1. 乾煎りして成分が出やすくするのも良い。
    2. 水で煮出して半量まで煮詰める。
    3. 火からおろし、かすを取り除き、冷ましてから服用する。
  • 飲み方: 軽い煎じ具合で、冷やして飲む。 

その他の使い方

うがい: 扁桃炎や口内炎には、煎じ汁を冷ましてうがい薬として使用する。

おじや: ゲンノショウコの若い葉や柔らかい葉をゆでて細かく刻み、だし汁、ご飯、卵と煮る。


 ところで、ドクダミとゲンノショウコの効能の一部に注目したい。

  • ドクダミ茶:強い殺菌作用を持つ一方で、摂取しすぎるとお腹を緩くする可能性
  • ゲンノショウコ:下痢止めや便秘の改善、整腸作用を期待して作られます

 そういえば、父は慢性的な腹痛に悩まされていた。もしかしたら祖母はそれを汲んでゲンノショウコもレギュラーに入れたのかもしれない。
 そこまで推理して、自分もよく腹を壊していたことを思い出したが、この場合はドクダミのせいではない。
 何十年もボケっと生きてきたので最近やっと分かったことだが、自分は乳製品を摂ると腹を壊す体質らしい。つまり私に関しては、ドクダミは無実である。

 ちなみにゲンノショウコは『「現の証拠」が名前の由来といわれるくらい、すぐによく効く点が特質で、他にもテキメンソウ、イシャイラズ、イシャダオシなんて別名もあります。』という説明がある。   
 なんだかすごい薬草じゃないか。(引用元:現代農薬【植物はあれもこれも薬草です】第8回「ゲンノショウコ」

※本記事は筆者の体験と一般的に公開されている情報をまとめたもので、医療的助言ではありません。

あのドクダミ茶は祖母の手作りだと思った理由

 我が家の庭はクロガネ、松、柿、山茶花、ツバキ、キャラボク、山椒、牡丹、千両万両等さまざまな植物が配されており、四季を楽しめる庭だった。
 地植えにすると手が付けられないといわれるドクダミももちろんあったが、祖母がよく手入れしており、定期的に庭師さんにも入ってもらっていたので立派なものだったと思う。(【関連記事】昭和の庭の記憶|祖母と庭師が守った庭木と、父が受け継いだ家の物語

 しかし後年、祖母が庭の手入れを出来なくなり、ほぼ同時期に庭師さんも引退して来なくなった。途端に庭にはドクダミがはびこり、手が付けられない有様になってしまった。

 もちろん、我が家の冷蔵庫にはドクダミ茶もゲンノショウコも常備されなくなった。
ではその頃は何を飲んでいたかというと、水道水をそのまま飲んでいた。
 当時の私は、古い家にもドクダミの茶の味も、その制作過程にも未練はなく、祖母に教えを乞うことをしなかった。
 子供時代の一番手がかかる時期を育ててもらったというのに、なんとまあ恩知らずな孫である。

 今にして思う。あの味と思い出は、とても貴重なものではなかったかと。もっと早く自分の恵まれた状況に気づいて祖母に感謝を伝えられたらよかったと後悔もする。

現代の暮らしでどう薬草茶を取り入れるか

 ところで、私も健康が気になる年齢になってきた。ドクダミ茶やゲンノショウコの助けが必要になりそうだ。

祖母
祖母

じゃあ自分でやってみんちゃい。

私

いやいや、今住んどる家に庭はないんよ。ちなみにベランダもないのでプランター栽培もできず乾燥する場所もない。

祖母
祖母

無理じゃね。

 いつかあの古い実家を継いだなら、ドクダミ茶を作って子供に飲ませてやれるかな。
そんな身の程知らずな「丁寧な暮らし」への憧れはいつも実家に帰った途端、ドクダミに浸食された庭を見て弾け飛ぶ。

 とにかくドクダミの繁殖力はえげつない。多分毎日飲んでも増えるスピードに追い付けないと思う。
いつか自分でチャレンジするとしても絶対地植えはやめとこう。固く決意する私だった。

 しかも、ゲンノショウコに関してはドクダミに飲まれた庭からは探し出せそうにない。
 しかも記憶の中で庭のどこら辺にゲンノショウコが生えていたかと聞かれても全く思い出せない。
 加えて見た目が毒草に似ていて間違えやすいという。

 どうやら、ゲンノショウコは市販品に頼るしかなさそうだ

>次:昭和の庭の記憶|祖母と庭師が守った庭木と、父が受け継いだ家の物語

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